究極の不妊治療?男の皮膚から精子を作り出せる!

不妊は近年、世界的に問題となっています。先進各国のほとんどの国では、夫婦のうち2割程度が子供ができずに悩んでいるのです。また日本においては晩婚・晩産が進んでいてさらに不妊問題が深刻化しています。病院に足を運んで不妊治療を受けるご夫婦も年々増え続けているのです。
原因は男女それぞれ半々です
不妊の原因は様々ですが日本においては「女性に対する治療」に偏っていると考えられています。不妊外来に通う患者のほとんどは実際に女性ばかりなのです。ですが、そもそも妊娠には健全な精子と卵子が必要であり、不妊の原因というのは本来男女ともに考えられることと言えます。実際に長年不妊で妻は悩んでいたのに、実は夫の精子が原因だったというケースは少なくありません。
精子の質は年々下がっている?
近年、先進国において男性の精子の質が下がっていると言われています。度重なるストレス、様々なところで体内に取り込まれる化学物質の影響、そういったものが男の生殖機能を奪っているのです。ある説ではあと十数年で精液中の精子濃度が妊娠限界値を下回る可能性があるとまで言われています。また現在においても奇形であったり生殖機能を持たない精子が増えてきているようです。
不妊治療において男性側の問題というのは確実に無視できない状況にまで来ています。

皮膚から人工の精子ができる
実は近年、皮膚から精子をつくる技術というのが活発に研究されています。男性の皮膚細胞を採取して幹細胞に変化、それを初期の精細胞に成長させるという技術です。すでに2009年ごろにはイギリスの研究機関で成功し、アメリカでも注目の研究とされています。皮膚から作られた精子は奇形といったこともなく、受精能力もあることがわかっています。実用化されることになれば不妊に関する男性側の問題を一つクリアーすることができるわけです。
今後の展望について
精子を人工的に生み出す技術はまだまだ研究段階です。実用化には様々な問題やハードルが存在しています。
まず、実際に受精させた場合に何が起こるかはわかっていません。動物実験などが行われていますが今後の展開次第では倫理的な問題も取りざたされるでしょう。また、理論上は亡くなった方の皮膚でも精子を作れるとのこと。急死した最愛のパートナーの皮膚から…それならば気持ちもわかりますが、下手をすれば「亡くなった有名人や偉人」から細胞を取り出すという倫理上の問題が起こる可能性があるのです。いわばこの技術は「クローンの生成」という問題を孕んでいるというわけですね。

とはいえ革新的な技術であることは間違いありません。無精子症や病気の治療によって不妊になった男性にとっては非常に夢のあるものと言えるでしょう。